トヨタ車に2019年ごろから採用され始めたディスプレイオーディオですが、昔のナビとは異なりナビ機能は標準では入っておらず、ナビ機能を使う場合はスマートフォンを接続する事が前提となっています。
また、ディスプレイオーディオには現在2種類あり、ディーラーオプションでナビ機能を追加するタイプと、通信またはメーカーオプションでナビ機能を追加するタイプがありますが、今回はディーラーオプションでナビ機能を追加するタイプが対象です。
ディーラーオプションで装着できるナビキットは大きく分けて2種類あり、基本的なナビ機能に留まる「エントリーナビキット」とDCM(データコネクティッドモジュール)を利用し、T-Connectサービスと連携する「T-Connectナビキット」が用意されています。
ナビキットは結構高い
これらのナビキットはナビ機能を追加できる代わりに価格が高価となっています。
ナビが追加できると思えば安く感じる人もいるかもしれませんが、絶対的な価格としては高価でリストに載せている価格は商品の本体価格ですからここに取付工賃が入り、実質的に+1.5万円ほど考えなければなりません。
価格が高価ですから、ディスプレイオーディオ車にナビキットを装着した車から、同じディスプレイオーディオシステムを搭載した車に乗り換える場合にこう考える人がいるのではないでしょうか。
ナビキット移設できるんじゃないか?
ナビキットは移設できます
ナビキットはディーラーオプションで、基本的にメーカーから車がディーラに到着してからディーラー側で追加するオプションです。
つまり、メーカーオプションのように後から変更ができないというものではないので、ディーラー側でも装着できるという事は部品としてナビ部分が別になっていると考えることができます。
ただ、新しい車を購入する際に担当者の方に「今ついてるナビキットを移設できないか?」と聞くと、ほぼほぼ「型番が違うので無理です。」と言われます。
ただこれ間違いで、実はナビキットは移設ができます。
ナビキット移設に必要なモノ
高価なディーラーオプションですから、次の車購入時にナビ費用を抑えることができれば、別のオプションに回したり、上のグレードにしたりと選択肢が広がりますからぜひ移設したいですよね。
ナビキットは移設できるのですが、必要なモノがあります。
それは、車種別に用意されている「フィッティングキット」と呼ばれるパーツが必要です。
これは車種ごとにダッシュボードの設計等が異なるため、それに合わせる為のパーツです。
ナビキット自体はすべて同じものを使用しているので、取り付ける際の配線や金物が車種別に必要になりますからこのフィッティングキットが必要になります。
ディーラーでナビキットを注文した際は、フィッティングキット込みの値段になるので別途注文する必要はないのですが、ナビキット移設の際はディーラーで車種別のフィッティングキット単体を注文してください。
移設はDIYでもディーラーに任せてもOK
上記のフィッティングキットが用意できれば、あとはDIYで取り付けるもよし、ディーラーにお願いするもよしです。
エントリーナビキットは単純に移設するだけで使用できるのでDIYでも問題ないですが、T-Connectナビキットの場合はT-Connectとの連携で少し設定が必要になるので、ディーラーに取付を任せる場合は問題ないですが、DIYで取り付ける場合は取り付け後にディーラーで設定をしてもらう必要があります。
なぜディーラーは移設できないと言うのか
実際には移設できるのに、なぜディーラーは「同じ車種でない場合は移設できません」と言うのかについてはいくつか理由があります。
車種ごとに発注型番が異なる
ディーラーオプションを発注する際に、車種ごとに部品番号が割り振られています。
同じナビキットでも先述の通りフィッティングキットが車種ごとに異なるため、ナビキット自体は同じでも発注時の番号が違います。
簡単に言えばカローラのエントリーナビキットがAという番号ならハリアーのエントリーナビキットがBという番号になるわけです。
そりゃ付属するフィッティングキットが違うので番号も変わっています。
番号が異なるのでディーラー担当者は「番号が違うから移設できないな」と思ってしまって、断るケースが一番多いです。
ディーラーとしては番号が違う=付けられないという式があるのでしょう。
利益が減る
ディーラーオプションは、利益率が非常に高いです。
一説には儲けがオプション価格の半分あると言われています。
それぐらい利益率が良くて、価格も高いのでディーラーとしてはナビキットを注文してもらった方が助かるわけですね。
なので断るケースがあります。
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