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クラウンクロスオーバーはなぜ内装が酷くなったのか?

TOYOTA(トヨタ)

トヨタの伝統的な車種の一つに「クラウン」がある。
王冠を意味するこの車は、長年トヨタの代表的な車種として愛され、CMでは「いつかはクラウン」と言われるぐらい当時は憧れの存在になっていた。

クラウンはセダンが一番のアイデンティティとされているが、最近トヨタはクラウンをフルモデルチェンジするにあたり、4種類のボディタイプを発売した。

車種名はそれぞれ「クラウンクロスオーバー」「クラウンスポーツ」「クラウン」「クラウンエステート」だが、この中から先頭を切って発売されたのが「クラウンクロスオーバー」だ。

発表された当初はその目新しさから非常に注目を集めたが、納車が始まりだすと状況は一変し、「内装がチープ」という不満が大量に溢れかえった。

ボディタイプは違えど「クラウン」の名を冠すクラウンクロスオーバーの内装が、なぜチープで安っぽくなってしまったのか。

消費者軽視があったか?

初期クロスオーバーの内装 全体的にプラスチッキーな感じ

要因の一つとしては、トヨタ側は消費者の反応を様子見したのではないかというのがある。
トヨタに多いのだが、前期モデルはいわば「人柱」モデルで、改良後またはマイナーチェンジ後にデザインと共に車が完成されるという状況が多い。

それはおそらく前期モデルで消費者の反応を見て、年次改良やマイナーチェンジで反映していくといった手法を取っているからだ。

その手法自体は特に問題ではなく、商品開発にあたっては逆に当たり前の流れであるが、クラウンクロスオーバーは初期モデルで「手を抜きすぎた」可能性がある。

そこにはトヨタのコスト削減姿勢が影響していて、昨今の材料費高騰や安全装備の標準装備化、賃上げにより車両価格がどんどん上がっており、以前にも増してコストを削減しなければならなくなった。

さらにクロスオーバーSUVという車の性質を利用して、以前では革や木目パネルを多用していた高級路線から、ややアクティブな路線へと方針を変えて設計した結果、樹脂が増えてしまいチープな印象を与える結果となったとみられる。
また、これは邪推かもしれないが若干「消費者軽視」の傾向が最近のトヨタには見られていたので、その影響もあるかもしれない。
人気車種の販売時の不当な条件が一番顕著であろう。
その他にも、海外向け出荷台数は増加しているのに国内向けは横ばいというデータもあり、海外向けにやや注力しているという見方もできる。

そんな流れから、「最近の消費者であればこれぐらいの内装でも買ってくれるだろう」という驕りから、今までにないぐらい内装がチープなクラウンクロスオーバーを出した結果「大炎上した」という流れだろう。

コスト削減は分かるが削減してはいけない部分もある

セダンの内装 木目パネルやアンビエントライトなど高級感がある

コスト削減は事業を行う会社であれば絶えず求めなければならない目標であるが、削減してはいけない部分も当然ある。
今回はトヨタがそこを見誤った結果、悲惨な結果となったのだろう。

クラウンというブランドイメージを守り続けてきたトヨタ自身が、クラウンのイメージをダウンさせてしまうという何とも意味の分からない状況になってしまった。

その後トヨタも大炎上をきっかけに焦ったのか、年次改良で内装をアップグレードしてきたし、異例ともいえる既に納車されたユーザー対象に有償ではあるが内装アップグレードオプションを販売している。

今現在のクラウンクロスオーバーは、初期モデルから見れば「マシ」になってはいるが、昔のクラウンを知るユーザーからはまだまだ不満は出ており、さらなる改良が必要であるとトヨタは認識してほしいところだ。

クラウンセダンの仕上がりは上々

クロスオーバーの評価が厳しいものになったその後に発売されたクラウンの本命ともいえるクラウンセダンは、内装の仕上がりが上々で、他のタイプにはない木目パネルなども使用しており、クラウンの名前に相応しいぐらいのデザインとなっている。

今のところ内装の仕上がりとしては、クロスオーバー < スポーツ = エステート <セダンといった内容となっており、ベースのデザイン自体は全車共通となっていることから、内装の違いが比較されやすくなっているので特にクロスオーバーのお粗末さが際立ったという事もあるだろう。

消費者目線としては、ディーラーの販売方法に不満の声が出ている事を知らないはずはなく、今回のクロスオーバー”事件”の事もあるので、トヨタには全体的に「消費者軽視」の目線を改めてほしいものだ。

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