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車両の盗難対策令和のベストは?盗難手法も紹介

コラム

 最近車の盗難が増えています。
先日もランドクルーザー300やLXが盗難されているという記事を書きましたが、人気車の盗難がここ数年で非常に増えました。

盗難される車両というのは基本的に売却時に高額で売れるものが多く、現在では新型アルファード・ヴェルファイア・ランドクルーザー系、LXなどが多いですね。
また、一昔前のスポーツカーも非常に海外では人気があり、R32/R33/R34型のGT-RやRX-7 FD型、80系スープラなどが主に盗難されています。

基本的に盗難された車両は国内で捌かれることはなく、船で海外に輸出されてしまいます。
盗難されて海外に輸出されてしまうとほぼ見つかることはないので、港などが最終防衛ラインになりますが、結構あっさり税関を通って海外に行ってしまうので、基本的には盗まれた時点で半ば諦めるしかありません。

盗まれて数日はGPSなどの追跡機が装着されていることを考慮して、コインパーキングに停められているという事もありますので、SNS等で拡散されれば見つかることもありますが、実際に見つかるのは盗まれた車の数割にしか満たないです。

自慢の愛車が盗まれると悲しい気持ちになりますし、長年乗っていた車であれば思い出もあるでしょう。
また、盗難されてもすぐに新しい車が買えるわけではないですし、保険対応も手間になります。

よってそもそも盗難目標にされない、盗まれないようにするというのを目標に対策をした方が良いです。
という事で今回は、最近主流の盗難手法と、令和時代のベストな防犯対策を紹介していきます。

ただ、注意していただきたいのはどんなに対策しても物理的に積載車に乗せて持っていかれたりと「絶対に車を持っていかれない」という事はありませんので、盗難される確率を減らすという観点でお考え下さい。

最近多い盗難手法

まずは最近多い車両の盗難手法をご紹介します。
盗難手法を知っておくだけでも何かの役に立つ可能性がありますので、読んでいただけると幸いです。

今現在主流の盗難手法は3つあります。

「リレーアタック・コードグラバー」「CANインベーダー」「ゲームボーイ」
以上3つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

リレーアタック・コードグラバー

 皆さん子供の事運動会でリレー走やりましたよね?

リレーアタックは実はそんな感じの盗難手法で、バトンを渡しあうような原理を使います。
というのもリレーアタックは、車のキーから出ている電波を特殊な機械で増幅して離れた車両まで到達させて車を盗難する手法だからです。

よくスマートエントリーと呼ばれるドアノブを触って施錠や解錠ができる車種がありますが、リレーアタックはそういった車両やキーから遠隔操作で解錠ができるタイプが標的になります。
ドアノブを触って施錠・解錠ができる仕組みとしては、普段持っている車のキーから微弱な電波が出ていて、車のアンテナ範囲内にキーが入った状態でドアノブを触ると、正しいキーを認証して施錠・解錠ができます。

しかしその微弱な電波はパワーが低いため、車の近くに行かないと車のアンテナに届きません。
よって、基本的にキーを持って車から離れれば施錠・解錠はできなくなります。

そこを突いたのがリレーアタックです。
リレーアタックはリモコンから出ている電波を特殊な機械で増幅し、本来届かない距離からでもキーの電波を車に届けることで、車にキーが近くにあると誤認させます。
車はキーが近くにあると思い込んでいますから、ドアノブを触るとドアが開いてしまい、エンジンスタートボタンを押すとエンジンがかかってしまいます。

現状のスマートエントリーでは、エンジンを一旦始動すれば、鍵が近くに無くても走行ができてしまいますので、そのまま走り去られてしまいます。

これがリレーアタックの盗難手法です。
基本的に車に何か細工をするとかではなく、車の正規のキーの電波を増幅するだけなので、対策されていなければ車側も特に何も思わずにドアが開いてしまいます。

この手法の標的になりやすいのは、キーの置き場と駐車場が近い一軒家などが多いです。
自宅敷地内に駐車場を持っている一軒家で車のキーを玄関に置いたりする場合は、特殊な増幅装置を持った窃盗団がドアの近くに行ってキーから出ている電波をキャッチ・増幅させます。
距離によっては複数台を経由することもあるでしょう。

そして車まで十分に届いたら後はドアノブを触って解錠し、エンジンを始動して盗難完了というわけです。

要は鍵の場所と車の場所が容易に想像できるロケーションが狙われやすいという事です。
「あの車のカギはおそらくあの家にあるな」と窃盗団に思わせたら盗まれるという事です。

なので、一軒家でも遠くの駐車場を別に借りている場合は、窃盗団から見てすぐには車と一軒家のペアリングがわかりません。
また、マンションなどでは同じ敷地内にあったとしても距離がありすぎたり、そもそもどの鍵がどの車に紐づいているかがわからないので盗難されることは少ないです。

以上がリレーアタックの盗難手法です。

コードグラバーもリレーアタックと同じように正規キーの電波を使用します。
正規キーから出ている電波を特殊な装置で読み取って、そのキーに設定されている情報をコピーすることで一時的にスペアキーを作り出します。

あとはそのスペアキーを使用すれば解錠してエンジンを始動し盗難します。

よってリレーアタック・コードグラバー共に純正キーの電波を使用するという事ですね。

CANインベーダー

続いては近年非常に件数が増えてきた「CANインベーダー」の盗難手法をご紹介します。

“CAN”という単語はあまり聞きなれないと思いますが、これは車両の通信の事を指しています。
インベーダーは「侵略者」「侵入者」といった意味があります。

要はCANという車の制御ネットワークに侵入するという手法が「CANインベーダー」なのです。

CANインベーダーの具体的な方法は、車両のCAN通信が可能な配線を探し、そこに特殊な機械を接続し、車両のネットワークに侵入して鍵を解錠・エンジンを始動して盗難します。

CANは車の制御を司るECUという装置に繋がっている為、そこに不正に侵入されてしまえばどうしようもないというわけですね。
しかも厄介なのは、このCANにアクセスできる配線が車外にもあるという点です。

車の重要な通信部分にアクセスできるとなれば車内にのみ配線があって当たり前かと思うのが自然ですが、実は車外にも配線が設置されているという驚きの構造なのです。

特に盗難が多いランドクルーザーやアルファード・ヴェルファイアは、左前のバンパーを外してCANに繋がっている配線取り出し、そこから盗難されることが多いです。

CANインベーダーはリレーアタックとは異なり、キーが近くに無くても車があれば盗難されるため、どこに置いていても盗難される可能性があります。

ゲームボーイ

 最近出てきたかなり厄介な盗難方法「ゲームボーイ」の手法をご紹介します。

ゲームボーイと名付けられたのは、この盗難に使用する機器が昔販売されていた任天堂のゲーム機「ゲームボーイ」に似ていたからと言われています。
よってリレーアタックやCANインベーダーのように直接的な名づけではありません。

ゲームボーイは、特殊な機械を使用して車から出される電波を傍受し、それを基に一時的にスペアキーを作成して車を解錠し、エンジンを始動して盗難します。

スペアキーを作成するという点では先述した「コードグラバー」と似ているのですが、若干異なります。
どこが違うかというと、コードグラバーは「正規のキーからスペアキーを作成」に対して、ゲームボーイは「車から出される電波を使用してスペアキーを作成」します。

要は、情報をコピーする元がキーか車かの違いですね。

ゲームボーイの厄介なところは、車さえあればキーが無くてもスペアキーを作成できるため、どんな場所からでも盗難されるリスクがあるという点です。

コードグラバーであればマンションなど複数のキーがたくさんあったり距離が離れているとスペアキーを作成できませんが、ゲームボーイは車が目の前にあればスペアキーを作成できてしまいます。

また、CANインベーダーのようにバンパーを外したりせずとも盗難できる為、車を破損させずに、そして手間もさほどかからずに盗難できてしまいます。

以上がゲームボーイの盗難手法です。

令和の盗難対策は?

 主流な盗難手法がわかったところで、どう対策したらよいかが気になりますよね。
という事でここからは、それぞれの手法別の対策方法とオールマイティな対策方法をご紹介します。

リレーアタック・コードグラバー対策

引用元:ビートソニック公式HP

 リレーアタックは正規キーの電波を特殊な機器で増幅する手法です。
コードグラバーは正規キーからの電波で一時的にスペアキーを作成する手法です。

よって両方への有効な対策は、正規キーから電波を出さない、傍受されないという方法が有効です。
それには以下のような対策方法があります。

リレーアタック・コードグラバーの主な対策
  • キーから出る電波を遮断する
  • キーから出る電波を止める

 キーから出される電波は非常に微弱なため、何かで遮断してやると外部からは傍受ができなくなります。
特に遮断効果が高いのは金属製の缶です。
簡単に手に入る金属製の缶は、お菓子の缶ですね。クッキーとかおかきが入っている缶を用意して、そこにキーを入れて蓋をすれば、キーからの電波が遮断されて外部から電波を傍受されなくなります。

お菓子の缶が無いという人は、別途電波遮断用のケースが販売されているのでそちらを購入するのも良いでしょう。

お菓子の缶でも販売されているケースなどでも大事なことは、「隙間を作らない」という事です。
例えば、お菓子の缶の蓋やケースの蓋が少し開いているとそこから電波が漏れ出してしまい、傍受されてしまいます。
よって缶やケースの蓋を確実に閉めることで電波を完全に遮断することが大事です。

もう一つの対策方法として、そもそもキーから電波を出さないという方法もあります。

例えば、トヨタのスマートエントリー搭載車であれば、下記の方法で「節電モード」にすることで、キーからの電波を止めることができます。
※他メーカーについては購入店などにお問い合わせください

引用元:TOYOTA公式HP

以上のように節電モードに設定すれば、キーからの電波は一切で無くなりますので、リレーアタック・コードグラバーによる盗難はできなくなります。

CANインベーダー対策

CANインベーダーは車の重要な通信ネットワークである”CAN”に侵入する方法です。
となると、対策としてはCANに侵入させなければよいというわけです。

CANインベーダーの主な対策
  • ガレージ付き車庫や機械式立体駐車場に停める
  • 左前に手や人が入れないようにする

以上がCANインベーダーへの有効な対策です。

CANインベーダーを行うには、車両のCAN通信を行っている配線を取り出さなければなりません。
よって直接車に触る必要があるため、車に触らせなければCANインベーダーで盗難されないというわけです。

その点ではガレージ付き車庫に停めてしまえば、窃盗団は容易に中に入ることができませんから、車に触られる可能性が低くなります。

また、ガレージでなくても外から車の存在に気付かせなければよいので、周りが高い塀に囲まれた場所などでも良いでしょう。

さらに、機械式立体駐車場に停めることができればなお安心です。
機械式立体駐車場は、まずどこのパレットに車が止まっているかを調査しなければなりませんし、機械によっては専用のカギが必要な場合もあります。
また、防犯カメラが一緒に設置されている事が多いです。
よって機械式の駐車場に停まっている車両は盗難の対象外になることが多いです。

しかし、すべての人がガレージ付き車庫や機械式立体駐車場に停められるわけではないので、次に対策すべきは「車の左前にスペースを作らない」という事です。

よく盗まれるトヨタやレクサス系の車両は、左前のバンパーからCAN配線を取り出されるので、作業ができないように左前のスペースを潰すという方法が有効になります。
例えば「壁ギリギリに駐車する」であるとか、物をたくさん置くとかですね。

窃盗団は時間がかかりそうなシチュエーションと判断すれば狙いから外れやすくなるので、こういった方法が有効です。

ただこれらの対策を取ることが難しい方がほとんどだと思うので、実質的にCANインベーダーを防止するのは難しいですね。

ゲームボーイ対策

 ゲームボーイは車から出る電波を傍受する手法です。
よって有効な対策は車から電波を出さないという方法が有効です。

スマートエントリーはドアノブなどに触れて解錠操作を行った時に、車から電波が発射されて正規のキーが近くにあるかを確認します。確認出来たら解除されるという流れです。

よって少し不便になりますが、スマートエントリーを無効化してやれば車から電波が出なくなり、ゲームボーイによる盗難が防げます。

ただしスマートエントリーを無効化しますので、ドアノブを触れての施錠・解錠はできなくなり、エンジンスタート時も正規キーをスタートボタンの近くに持っていかなければならないなど色々と不便になります。

総合的な対策方法

以上主要な対策方法をご紹介してきましたが、窃盗団がどの手法を使ってくるかはわかりません。
よってこれから紹介する総合的な対策方法で対策するのが一番良いかと思います。

総合的な対策方法は主に以下があります。

総合的な対策方法
  • ガレージ付き車庫・機械式立体駐車場に停める
  • ハンドルロックを付ける
  • タイヤロックを付ける
  • 車外セキュリティを導入する

以上4つ方法を挙げましたが、複数対策することで盗難の確率が減ります。

ガレージ付き車庫・機械式立体駐車場に停める

 窃盗団は日々盗難できそうな車両を物色しています。
要は窃盗団の盗難対象にならないように対策すればよいという事です。

その点ではガレージ付き車庫に停めるという方法は有効です。
外から目隠しをしておけば、どんな車両が入っているのかがわかりませんし、実際に盗難する際もシャッターを突破する必要がありますので手間がかかります。

また、機械式立体駐車場の場合は先述の通り車のパレットの位置、機械の操作、操作用の鍵の必要性、防犯カメラなどの要素がたくさんあり、基本的には盗難されることは少ないです。
また、タワー式であれば目隠しも同時にできる為、なお良いですね。

機械式立体駐車場から車両が盗難されたという話はあまりないのは、やはりそういう盗み辛さがあると思います。

ただ、自宅駐車場が機械式立体駐車場でも、出先はそうはいきません。
よって自宅で駐車する場合の対策として頭に入れておいてください。

ハンドルロック・タイヤロックを付ける

この対策は一応総合的な対策と紹介していますが、別の対策と組み合わせることを前提に考えると良いでしょう。
というのも、ハンドルロック・タイヤロックのみだと簡単に突破されてしまうからです。
窃盗団は基本的に時間がかかることを嫌がりますので、その点ではハンドルロック・タイヤロックを付けておくことで、付けていない車両よりも盗難率は低いですが、それでも盗まれている件数は多いです。

よって、これだけで対策しようと考えない方が良いでしょう。

社外セキュリティを導入する

 今のところすべての盗難手法に有効で、総合的に見ても優秀な対策としては「社外セキュリティの導入」ですね。

社外セキュリティシステムは、紹介したリレーアタック・コードグラバー、CANインベーダー、ゲームボーイすべてを一括で対策可能です。
また、社外セキュリティが導入された車両が盗まれたという話も今のところ聞いていませんので、現状有効な対策でしょう。

もちろん社外セキュリティも市販されている電子機器になるので、窃盗団に解析されてしまえば無効化されるとは思いますが、今のところそういった話も聞いていないので現状最も有効な手段です。

ただ導入に費用が掛かり、イニシャルコストが発生するという事は覚悟しなければなりませんが、車が盗難された時の事を考えると決して高くはないかと思います。
※大体どこのセキュリティも製品+工賃で20万~は必要

社外セキュリティには今のところ有名なもので「Panthera(パンテーラ)」「IGLA(イグラ)」「Grgo(ゴルゴ)」「CLIFFORD(クリフォード)」があります。

どれもカーセキュリティとしてはメジャーな製品で、各社の取扱店で取り付けなどを行ってくれます。

複数の対策を一緒に!!

車両盗難の刑罰は現在のところ非常に軽く、捕まっても厳罰は望めません。
そういう事もあってか車両盗難が横行し、さらには最近の事情から高い利益を得ることができるという事で非常に件数が増加しています。

自分の車が盗難されない為にも、今回紹介した盗難手法を頭の隅にでも入れておくと共に、盗まれる前に対策をされることをお勧めします。

私の一番のオススメはやはり社外セキュリティの導入です。
他の対策方法はどうしても不便が伴いますが、社外セキュリティの場合はその負担が最小限になっており、中には通常のスマートエントリーでの解錠やエンジン始動方法でOKな製品もあります。

また出先でも高いセキュリティを確保できるため、少し値は張りますが社外セキュリティが今のところベストと言えます。

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