車種によっては最近「ワンペダルドライブができます!!」といった謳い文句を見ることがあります。
「ワンペダルドライブ」というワードが出てき始めたのは、日産のノートが発売されてからです。
厳密にはe-Powerというシリーズハイブリッドシステムが搭載されたノートが、目玉機能としてワンペダルドライブを搭載し広まりました。
ただ「ワンペダルドライブ」というワードを聞いたことが無い方も多く、そもそもどんな機能?メリットは?デメリットは?といった疑問が生まれると思います。
よって今回はワンペダルドライブについて特徴やメリット・デメリットご紹介いたしますので、よろしければ最後までご覧ください。
メーカー別呼び方
ワンペダルドライブはメーカーによって呼び方が異なります。
アクセルペダルのみで速度をコントロールできる
ワンペダルドライブの最大の特徴は、その名の通り1つのペダルで運転ができるという点です。
具体的にAT車にはアクセルペダルとブレーキペダルが備えられており、その中でも「アクセルペダル」のみで運転をすることができる機能の事を指します。
通常AT車の運転方法としては、
- 発進時にアクセルペダルを踏む
- 前走車または前方信号が赤であればアクセルペダルを戻す
- 徐々にブレーキペダルで速度を落とす
- 停止線か前走車に近づけばブレーキペダルで完全停止させる
- 信号が青になれば①から繰り返し
以上のような流れになるかと思いますが、例えばワンペダルドライブが初採用された日産ノートの場合は以下のような流れになります。
- 発進時にアクセルペダルを踏む
- 前走車または前方信号が赤であればアクセルペダルを戻す
- 信号が青になれば①から繰り返し
以上のような流れになります。
通常の流れとは工程が減っていますよね。具体的には「ブレーキペダルを踏む」という工程が無くなっています。
車種によっては最後の極低速時だけブレーキを踏む必要がありますが、基本的にはそのぐらいです。
なぜかというとワンペダルドライブ搭載車は、アクセルペダルを離しただけでブレーキペダルを踏んだかのような減速をすることができるからです。
厳密には「めちゃくちゃ強いエンジンブレーキ」という方が正しいですが、イメージがしやすいのでブレーキという事にしておきます。
アクセルペダルを離すだけでブレーキを踏んだぐらい減速できるので、アクセルペダルのみで運転ができるという事で「ワンペダルドライブ」と呼ばれています。
特にワンペダルドライブが初採用された日産ノートは、ブレーキを踏まなくても完全に停止するところまで減速するので、まさに言葉通りというわけです。
※一部車種は完全停止にブレーキを踏む必要があります
より強い回生エネルギーを得ることができる
なぜこのようなシステムが開発されたかというと、ハイブリッドシステムは基本的に充電を「エンジンからの発電」と減速時に発電用モーターを回転させる「回生」で発電しています。
より多くの電気を発電するには、エンジンでは多く回せば電気を発電できますが、回生で発電する場合は発電用モーターに負荷をかけることで多くの電気を発電することができます。
通常のハイブリッドシステムでは、基本的にはガソリン車のようなフィーリングを再現しているので、走行中にアクセルペダルを戻しても、ガソリン車と同じぐらいの減速ですが、ワンペダルドライブの場合は回生で得られる電気をより多く得たいため、通常よりも強く減速します。
そうすることで通常よりも多く電気を貯めることが可能で、バッテリーが溜まりやすく航続距離が増えるという事です。
ワンペダルドライブのメリット
ワンペダルドライブの特徴が分かったところで、メリットを紹介したいと思います。
以上がワンペダルドライブのメリットになります。
アクセルペダルのみで減速可能
繰り返しの説明になりますが、ワンペダルドライブはアクセルペダルのみで減速ができる為、ブレーキの度に踏み変える必要がありません。
よって踏み変え時の足のストレスなどが掛からない為、運転が楽になります。
アクセルを戻すだけで完全停止まで減速してくれる車種もありますので、その場合はより楽になるでしょう。
燃費が良くなる
ワンペダルドライブは、使わない場合と使った場合で回収できる回生エネルギー量が違います。
よって、ワンペダルドライブ時はより多くのエネルギーを回収し充電するので、使わない場合と比べて燃費が向上します。
ワンペダルドライブのデメリット
続いてワンペダルドライブのデメリットを紹介します。
以上がデメリットです。
咄嗟にアクセルを踏んでしまう可能性がある
ワンペダルドライブは、ほぼアクセルに足を置いている状況になります。
人間は体に付いた癖が咄嗟の行動に出ることがあり、普段ワンペダルに慣れているといざ急ブレーキを踏もうとしてアクセルを踏んでしまう可能性があります。
これはワンペダルドライブを搭載していない車に比べて踏み間違えリスクが高いからです。
特に最近は高齢者の踏み間違え事故が多いため、運転操作に不安があるような方はワンペダルドライブを使わない方が良いでしょう。
ブレーキランプが点灯しない事がある
ワンペダルドライブは、アクセルを戻すだけで強い減速を得られる代わりに速度域や車種によってはブレーキランプが点灯しません。
後続車から見ると、ブレーキランプが点いていないのに大きく減速する為、追突されるリスクが高まります。
車種によってはアクセルペダルを離した時点でブレーキが点灯する車種もありますが、日産のノートなどではブレーキランプが点灯する時としない時があるので注意が必要です。
乗り心地が悪くなる
ワンペダルドライブはアクセルを戻すだけで他の車よりも強い減速が入ります。
ワンペダルドライブの基本的な走り方だと、アクセルペダルを踏んだり戻したりが頻繁に発生するため慣れていない人や同乗者は、減速が入るたびに頭が前後に振られる事があり、乗り心地が悪くなることがあります。
また、人によっては酔ってしまう事もあるでしょう。
ワンペダルドライブ非搭載車に乗るとブレーキが遅れやすくなる
基本的にブレーキを踏む回数が減るので、ワンペダルドライブに慣れた状態で別の車に乗るとブレーキが遅れやすくなります。
通常の車よりも減速率が高いため、体がそれで覚えてしまう為だと言われています。
頻繁にワンペダル搭載車と非搭載車を乗り換えることが多い場合は大丈夫ですが、いつもワンペダル搭載車に乗っていて、レンタカーや代車などで急に別の車に乗る際は注意が必要です。
便利だが利用時は注意が必要
ここまでワンペダルドライブをご紹介してきましたが、慣れれば非常に運転が楽であるという声は非常に多いです。
しかし、まだまだワンペダルドライブができる車は少なく、認知度もそこまで高くない為他の車よりも大きく減速すると後続車に追突されるリスクが高まるなど、利用時は周りへの配慮が必要となります。
また、まったく知らない同乗者がいる場合は単に運転が下手と思われたり、酔わせてしまうなどの弊害もあるため、使用する場合はその辺のデメリットも頭に入れておいて使うと良いでしょう。
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