先代ランドクルーザープラドがデビューして、約14年目にしてやっとフルモデルチェンジして登場した新型ランドクルーザー250だが、今回ヘッドライトオプションが珍しくディーラーオプションで用意されている。
標準装備は横長のヘッドライトだが、それを伝統的な丸目ヘッドライトへ変更するためのオプションが用意された。
価格にして187,000円だがこのオプションを選ぶ人は多いようで、納期もかなり長くなっているようだ。
だが一つ問題があって、この丸目ヘッドライトオプションはVXグレードにしか装着することができない。
現状新型ランドクルーザー250には下からGX・VX・ZXと用意されているが、GXやZXには装着することができない。
特に最上級のZXグレードの人が丸目ヘッドライトパーツのみを購入して、交換できないかと模索しているケースが散見されるが現状の状況からしてかなり厳しいという事がわかった。
ヘッドライトが複雑になりすぎている
最近のヘッドライトはアダプティブハイビームシステムを始めとする様々な機能が統合されており、昔のハロゲンランプのように単純にON/OFFするだけの代物ではなくなっている。
現にハロゲンヘッドライトだと玉切れ時にはバルブを交換するだけでよかったが、現在はヘッドライト丸ごと交換となり、非常に高い修理金額になるしDIYレベルでできるようなものでは無くなってしまった。
それによりヘッドライトを単純にON/OFF制御するだけではなく、細かな制御が必要となるため、その機能が車側に搭載されている可能性が高い。
また、アダプティブハイビームシステムやオートマチックハイビームなどは、車両のカメラとも連携しており、下手に弄ると不具合を起こしかねない構造となっている。
ZXとVXではヘッドライトの機能が異なる
ZXとVXは標準装備されているヘッドライトが異なる。
ZXにはアダプティブハイビームシステムが装備された「プロジェクター式3眼LEDヘッドランプ」が装備されるのに対して、VXにはオートマチックハイビームシステムが装備された「リフレクター式3眼LEDヘッドランプ」が装備される。
一番の問題は「アダプティブハイビーム」が装備されているか否かである。
先述の通り、アダプティブハイビームシステムは車両のカメラと連携してライト照射範囲をコントロールする。
また、アダプティブハイビームシステムはヘッドライトユニット内に複数のLED光源を持っており、その光源のON/OFF等で細かく照射範囲を調整するため、制御機能が複雑になる。
対してVXに搭載されるランプの場合は、オートマチックハイビームに留まるため、アダプティブハイビームよりも簡単な制御で良い。
このことから、ZXとVXに搭載されているライト制御機能が異なる可能性があり、ZXに丸目を付ける場合はこの問題を解決しなければ装着は難しいだろう。
さらにZXとVX両方にオートレベリング機能が付いているが、そもそもの照射方式がプロジェクター式とリフレクター式で異なるため、レベリング時の制御も両者で異なる可能性が高い。
そのようなことから、丸目ヘッドライトをZXに装着することは簡単ではなく、現状は厳しいという結論になるし、仮に付くとしても別の問題がある。
車台番号なしでは丸目を購入できない!?
先述の通り制御系の問題がある限り、ZXに丸目を装着できる可能性は低いが、同じライトシステムを採用しているベースグレードのGXであれば装着できるのではないかと考える人もいるだろう。
しかしその線も雲行きが怪しい。
トヨタは昨今の転売を非常に重く見ており、様々な対策を施してきている。
丸目ヘッドライトに関しても転売を気にしているようで、どうやらとある情報筋によると丸目ヘッドライトを購入するには本当にVXグレードを持っているかどうかを確認されるようなのだ。
具体的には車台番号で照会することになると思うが、VXでなければパーツ単体としても丸目を売ってくれないとの話も出ている。
基本的にディーラーや町の自動車屋は、トヨタ共販からパーツを購入するが、今回そこにも規制が入っているようで、正規ディーラー以外からは発注もできないと言われている。
よって、サブディーラーなどの町の自動車屋からは丸目の発注が不可能で、丸目を付けたい場合は必ずディーラーを通さなければならない可能性がある。
おそらくVXの車台番号を使いまわし、本来買えない人が丸目を購入できるという抜け穴を先に潰したわけだが、もしかしたら車台番号ごとに購入回数も管理され、1度丸目を購入した車台番号では2回目を購入できない可能性もある。
そのような話から、GXグレードの方も丸目を購入することは難しく、今後トヨタが正式にZXやGXに対応させるか、電装屋さんの解析を待つしかないだろう。
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