2023年にフルモデルチェンジを行った新型ヴェルファイアですが、どうやらハイブリッドモデルの燃費がかなり良くないようです。
30系から40系へとフルモデルチェンジされた新型ヴェルファイアは、ガソリンターボモデルとハイブリッドモデルがラインナップされていますが、ガソリンターボはやはり燃費が悪いようです。
ですが、ガソリンターボは元々燃費が良いと考える人は少なく、2tオーバーの車体とターボチャージャーが付くことによって燃費が悪くなるのはある意味必然でしょう。
ハイブリッドモデルが特に悪い
トヨタのハイブリッドシステム THSは、燃費に優れているという事で有名で、今回新型ヴェルファイアに搭載されるハイブリッドも2.5Lダイナミックフォースエンジン+180馬力オーバーのフロントモーターが合わせれ、電池には新開発されたバイポーラニッケル水素が採用されています。
このスペックだけ見れば力強いハイブリッドシステムという事がイメージでき、モーターでの速度域も30系から大きく伸びて燃費も伸びると思ってしまいます。
しかしどうやらハイブリッドでも燃費があまり良くないという事がわかりました。
新型ヴェルファイアの実燃費を見てみると、大体13km/Lとなっており同じ時期に発売された40系アルファードハイブリッドが実燃費16km/L前後となっていることを考えると、リッター約3km悪いことになります。
30系のハイブリッドと比べても大体1~2km/L良くなっているだけで、格段に向上しているわけではありません。
市街地などハイブリッドが活躍するような道路事情でも逆にリッター10kmと悪くなっているという情報もあり、市街地走行がメインの場合は燃費に期待できないかもしれません。
実は装備内容などは新型アルファードと新型ヴェルファイアではそこまで変化はありません。
強化ブレースや周波数感応式ダンパーなどの違いはあれど、リッター3kmも変化させるような装備ではありません。
ではなぜ新型ヴェルファイアハイブリッドの燃費が悪いのでしょうか。
セッティングに問題?
どうやら新型ヴェルファイアのハイブリッドシステムは、EVモードで走る時間が極端に短いという特徴があるようです。
ヴェルファイアの持ち主の方や試乗した方からもそれは聞こえてきていて、いつも通りのトヨタのハイブリッドシステムの走り方をしても、全然EVモードに入らないようです。
具体的にはスタート時は時速10kmでエンジンがかかり始めてしまったり、巡行時でもなかなかEVモードに入らないといった現象が起きているようです。
バイポーラを搭載していてモーター出力だけで180馬力あるにもかかわらず、時速10kmでエンジンがかかったり、60km程度の巡行時でもエンジンがかかりっぱなしとなると、パワートレインに問題があるのではなく、セッティングに問題があると予想できます。
というのもシステム的にEVで走れないのかと言えばそうでもないようで、巡行時などにEVモードスイッチを押せばEV走行できたり、発進時もEVモードボタンを押してからだと結構モーターだけで粘るようなのです。
新型ヴェルファイアは、以前の30系の時みたいに外装を変更した車種というわけではなく、アルファードと明確に差別化を図っています。
アルファードが「ゆったり乗る」に対し、ヴェルファイアはスポーティな走りを念頭に作られています。
ガソリンターボエンジンが採用されているのもそれが理由ですね。
よってヴェルファイア=スポーティというコンセプトから、ハイブリッドシステムも積極的にエンジンを始動して、モーターとエンジンの両パワーを使うようなセッティングに仕上げられており、それが原因ですぐにエンジンが始動する+なかなかEVモードに入らないという現象が発生し、結果的に燃費が悪くなっていると考えられます。
RX500hやクラウンクロスオーバーRSに搭載されているデュアルブーストハイブリッドが同じような動作をしており、ハイブリッドだけど燃費がイマイチという声を多く聞きます。
その代わり走りに関しては非常に良いという評価があるため、ヴェルファイアにも同じようなセッティングを適用しているのでしょう。
セッティング変更は無理か
パワートレインに関して問題があるわけではないので、新型ヴェルファイアのコンセプト的にセッティングを変更するようなOTAやサービスキャンペーンは期待できないかと思います。
ユーザーの声がより多ければマイナーチェンジで変更してくる可能性もありますが、既に納車された方向けに何かあるというのは期待薄でしょう。
現状新型アルファードのハイブリッドモデルはそこまで燃費が悪いわけではないので、もし燃費を気にするのであれば、アルファードを検討する方が良いでしょう。
ここまで兄弟車で燃費に差が出るというのはなかなか予想できず、今回のヴェルファイアの作りが良かっただけにヴェルファイアを注文する人も多かった模様です。
今回のようなケースは実際に納車が始まってみないとわからないと事象の為、フルモデルチェンジ後の車を狙う場合はある程度想像と異なっても許容できる心がないと難しいですね。
コメント